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※左からアクリス、ヘンリル、パロ八世、ロルル、アミーバ
イラスト:相良ゆあ

ここはパロデラ王城。今日もいつものように王子がトラブルを起こしていた。

メイド「あわわ、ヘンリル王子が、この方が美味いとか言って、料理の鍋に砂糖を大量に入れてしまったです!仕方ないのでこれで出しますが、味に文句は言わないで欲しいですー」
アミーバ「何だと…。味もさることながら、糖分が多すぎて栄養バランスも最悪だというのに。あの王子は油断も隙も無いな…」
兵士「陛下っ!ヘンリル王子が私の鎧にゴキブリを…!もはや我慢なりませぬ!王子を懲罰牢にお入れ下さい!」
パロ八世「やれやれ…王子と皆が、もっと仲良くしてくれると助かるのだが…ヘンリルにパロ九世としての役目が務まるかどうか、不安じゃよ」
アミーバ「陛下、お悩みのようですね。それでは、私の薬を試してはみませんか?クックック…」
パロ八世「英雄の薬でも飲ませるのか?一時的に皆の怒りが収まろうと、どうせ王子がまたイタズラすれば元に戻る。王子の態度を改めないと根本的な解決にはならんじゃろ」
アミーバ「その通り、さすがは英明であらせられます。そこで人間の性格を変える薬を発明したのです。さすがは天才の私だ…フハハハハ!」
パロ八世「その薬は安全なのか?ヘンリルは余の世子である故、万一のことがあったらお前を極刑に処するぞ」
アミーバ「だ、大丈夫です、ライムの汁や魔界ニンニクといった、私がいつも食べている材料から作りましたから」
パロ八世「城でそんなのを食べるのはお前くらいだと思うが…」
アミーバ「そうですかね?酒の肴に結構いけますよ、陛下もひとつどうですか、フヒヒッ」
パロ八世「それはまた後でよい。では、それを王子に飲ませるが良いぞ」
アミーバ「御意にございます、さっそく…」

アミーバ「ちょうどいい、この料理の鍋に入れよう、どうせ王子しか食べないだろうしな」

ヘンリル「腹減ったー、飯だ飯、あれ?みんな食べないの?甘くて美味しいのになー」
兵士「夕食に甘いおかずなんてよく食べられますね…私は遠慮しておきます…」
ヘンリル「美味いぞ、お前も食えよほら、ほら…う!?ぐぶあっ!
兵士「!!王子!ざまぁ…じゃなくて、いかがなされました?誰か、医者を呼べ!」
アミーバ「どうした、王子が倒れただと!?(あれ?おかしいな…)」

王子は倒れたまま、高熱にうなされ、目を覚まさなかった。

パロ八世「アミーバアアアアア!貴様、王子の身に何かあったら、ただじゃすまないからな!」
アミーバ「ひいいっ!ご勘弁を、なんとか致します」
パロ八世「そもそも、城の典医もこやつが兼ねてるから信用ならんのだ…王子に薬を盛ったのもこいつだしな」
アミーバ「私の専門は兵器や生物学なので、私としても専門の医師を別に雇って頂きたいのですけど」
パロ八世「財政が厳しいからやむをえん。…で、王子の容態はどうなのだ」
アミーバ「どうやら、薬の配合を間違えたようです、てへぺろ!毒薬を飲んだのと同じ状況になってますね」
パロ八世「てへぺろじゃねーぞ、貴様〜!!ヘンリルは助かるのじゃろうな?」
アミーバ「え、ええ。まぁ…もって三日でしょうな。この毒を中和するには、稀少な不死鳥のふんを飲ませるしかありますまい。それ以外にこの毒を治す方法は無い!さすがは天才の私だ、はっはっは!」
パロ八世「不死鳥か…恐るべき魔物だが、我が城の屈強な戦士に任せれば、あるいは…。よし、アクリスを呼んで参れ!」
兵士「ははっ!ただちに、アクリス殿を呼んでまいります」

アクリス「陛下、なにか御用でしょうか」
パロ八世「知っての通り、今王子が熱病に冒されている。治すには、不死鳥のふんが必要なのじゃ。アクリスよ、採って参れ」
アクリス「不死鳥…恐るべき敵ですね…私ごときでかなうかどうか。それに私は、姫様をお守りする役目が…」

そこへ、妹のロルル姫が部屋に飛び込んできた。

ロルル「聞きましたわ、私も一緒に行きます。お兄様の命がかかってますもの!」
アクリス「姫様!あまりに危険です」
パロ八世「ふむ…わかった、ロルルよ、お前もアクリスと共に行くのだ」
アクリス「し、しかし陛下、姫様まで私が守りきれるかどうか…」
パロ八世「これは王命じゃ!そむくことは許さぬ。行って参れ!」
アクリス「は、ははっ…拝命致します…。姫様はこの聖騎士アクリス、一命を賭して、御守りしましょう。吉報をお待ち下さい」

ロルル「久々にお城の外に出られるのは、嬉しいわ。お兄様が苦しんでおられるのですから、不謹慎ですけど」
アクリス「不死鳥は洞窟の奥底に潜んでいます、姫様はこの王者の鎧を着込んで、私の後ろに居て下さい」
ロルル「しかし、不死鳥というからには、なかなか死なないのではないのかしら?」
アクリス「ええ、確かにしぶといのですが、本当に不死身ではないですし、他にこれといった特徴も無いモンスターですね。キョエーって鳴くんですよ」
ロルル「ふふっ、なんだか可愛らしい鳥さんみたいですね、早くお会いしてみたいですわ」
アクリス「まぁでも、殺しに行くんですけどね。姫様もこれが良いご機会かもしれません」

翌朝、アクリスとロルルは洞窟を目指して王城を発ったのであった。

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