TOPページに戻る


イラスト:相良ゆあ

漆黒の夜の森。突如、空間が歪み、三人の男女が現われた。

エミー「…ここが平行世界…。私たちの居た世界と、特に違いは無いようね」
クールス「時間も同じように流れていると聞きます。ここは三手に分かれてドウベエを探しましょうか」
エミー「あらそう?私はクールスさんと一緒に探索したいと思っていたのだけれど…」
クールス「そ、そうなのですか?ならば…。いや、やはり一刻も早くドウベエを見つけて潰すのが先決でしょう。時間がたてばたつほど奴に有利になります。異存は無いですかね、ゴルベス殿」
ゴルベス「それでかまわん…」
エミー「(クールスはまだ私に好意を抱いているのね。悪いけど、それを利用させてもらうわ。私はやはり魔性の女かしらね…)」
クールス「今、私達はこの大陸の中央にいるらしい。…それでは、ゴルベス殿は南へ、私は東へ、エミー様はこの付近の街を探るというのでどうでしょう。成果があってもなくても、この場所にまた集まるということで。よろしいですか?」
ゴルベス「よかろう…」
エミー「わかったわ」
三人は手分けしてドウベエを探すことになった。


クールス「さて…はやくケリをつけてしまおう。東には大きな街があるようだ、ドウベエが居るかもしれないな」
エミー「クールスさん」
クールス「!?こ、これはエミー様、どうしてこちらに?」
エミー「ちょっとあなたに用があって…クールスさん、あなた、兄を信じているの?」
クールス「突然何を言われているのです。私は魔王様に絶対の忠誠を誓っていますよ」
エミー「私の兄は、その忠誠には報いるような男じゃないわ。あなたが人間を滅ぼした後は、あなたは兄にとって用済みよ。きっと始末されるわ」
クールス「そ、そんなはずは…!でも、まさか…」
エミー「私は身内だから兄の考えはよくわかるの。だから、いっそ、兄を倒してしまうしかないわ。あなたの凄い魔法なら、兄に勝てるでしょ?私も協力するわ。私も、血のつながった兄妹とはいえ、あの男には我慢ならないの」
クールス「………わかりました、私も覚悟を決めます。妹のエミー様がそのおつもりなら…魔王を倒した後は、エミー様を次の魔王として擁立しましょう」
エミー「ありがとう、兄を倒した暁には、私もあなたの望みにきっと報いるわ」
クールス「そ、それならば…いえ、私の思いは、その時に申し上げましょう。…しかし、この計画を進めるとなると…」
エミー「そうね。ゴルベスは私達の味方に付くとは思えないわ。この計画の邪魔になるわね」
クールス「間違いなく、魔王の側につくと思います。…私が、殺りましょう。ゴルベスに追いつき、奴を始末します」
エミー「でも、勝てるの?ゴルベスは四天王の筆頭なんでしょ」
クールス「かつての私ではかなう相手ではなかったでしょうね。しかし、今なら究極冷気魔法で対抗できるでしょう。それでは待っていてください」
クールスは南に向かったゴルベスを追うために立ち去った。

エミー「これで時間稼ぎが出来るわ。この間にドウベエさんを見つけ、クールスを置き去りにして元の世界に返りましょう。…しかし多くの人の命を救うためとはいえ、我ながら汚い手だわ。私にも兄の血が流れているのね…」

エミーは付近を探索し、小さな街を見つけた。エミーは街の中を見て回ったが、ドウベエを見つけることはできなかった。
エミー「この街は空き家と、錬金屋、鍛冶屋、大工の店、武器屋があるだけね。ドウベエさんは見当たらないわ…これ以上ここにいると怪しまれるし、はやく出ましょう。それにしても、私が居た街にとても似てるのね」
エミーは街を後にした。しかし、そのすぐ後にこの街のそばでドウベエが倒れているのを虎猫が発見した。エミーは入れ違いになってしまったのである。

次のページ

TOPページに戻る